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トモダチ   

2011年 04月 06日

みなさん、こんばんは。きらら歯科の比嘉です。

つい先ほどまで大学時代の友人と電話で久しぶりに話をしていました。
彼は埼玉出身で現在は東京都で開業、診療に日々奮戦している人です。
私より2歳年上ですが同期のよしみで勉強に遊びにといつも一緒に過ごした友人です。
地震が起きてから本土の友達たちのことが気になっていたのですが周りから聞こえてくる話ではけがをしたり直接の被害を受けた様子はなさそうでしたのでこちらからの連絡は特にしておりませんでした。
今夜晩ご飯を食べているときにその友人から電話があり久しぶりに近況報告などをしました。
地震はどうだったの?と聞くと直接の被害はなかったけどその日は電車もすべてストップしたので自宅までの10キロを徒歩で移動したとのこと。やはり大変です。
次の日からしばらくはいつもとは違う方法で通勤をしたとのことでやはり影響はかなりあったようです。勤務している衛生士さんが実家が被害を受けたという事で急にやめることになったり、中国出身のスタッフさんが本国へ急に帰ったり等、大小いろいろな影響があったようです。だけどご家族を含めけがなどがなかったことは不幸中の幸いだったね、と伝えました。
テレビに映る悲惨な現実はここ沖縄でも日々見るたびに胸が痛くなる思いをしていましたから。

そんな近況報告も終わり話はだんだん仕事の話に移って行きました。
こういう場合にはどういう治療を行う?
こうやった方が治療成績がいいよ。等、時間を忘れて夢中になって話し合いました。
思えば学生時代から彼とはこういう話ができました。
歯科医学も自然科学の一つですから病気の原因から治療の根拠までしっかりとしたストーリーが必ずあります。
もちろん原因がはっきりとは分かっていなかったり、治療方法が確立されていないものもありはしますがこれは他の自然科学も同様ですし、たいていのことはしっかりと方法論があるのです。
私はこういう理屈を考えていくことが科学の勉強だと思っていましたし、それを勉強していくことは楽しいとも考えていました。歯学部に入ってくる学生ですから皆が同じように考えていると勝手に思っていましたが実際は私のまわりだけかもしれないですが同じような目線での議論はあまり行われませんでした。思ったのと違うなーと違和感を感じていた時に出会ったのは彼を含め数名の友人たちでした。教科書でわからないことが出てきたらそれを話題にしてあーだこーだと話あう、講義や実習で理解しにくいことがあった時もお互いに意見を言い合いできるだけ科学的に納得しやすいところまで議論を深めていく。遊びに行くとなればノリも良く少ない休みを利用して2日で九州一周旅行や、四国横断ツアーなど徹底的に遊び倒しました。彼らがいなければ私の大学生活はあまり楽しいものとはならなかったように思います。

あれから皆実際の診療に従事して、、、習ったものとは大違いの現実もたくさんあります。しかし私の実感ではあの時たくさん彼らと話し合い未熟ながらも考え続け答を見つけようと努力したことの積み重ねが今の診療を支えてくれる基礎になっていると思っています。
日々の診療の忙しさに流され本質をついつい忘れがちになることが多いですがたまにこうやって同じ職業を志した友達と本音の話をしていると自分でも忘れていたことがどんどん思い出され明日からの診療に活かしていこうと充実した気分になれるものです。トモダチとは本来の自分を保つためにも必要な人たちのことなのでしょう。私もトモダチに良い影響を与えられる人間になりたいものです。